|
ひとくちに「中国」といっても、ヨーロッパ全域に匹敵するほどの広大な領土を持つ中国には、様々な自然、風土、文化、歴史、そして言語が存在しています。北京語、上海語、広東語などの地域による言葉の違いは、日本人の考える“方言”の域を超え、実際にはお互いほとんど意味が通じません。ヨーロッパにおける英語とフランス語以上の違いがそこにはあると言われています。
実は前に一度こういうことがありました。
お客さん「平澤さん、中国語の通訳も出来るんですか?」
平澤 「はい、普段は英語ですけど、『北京語』の通訳もやりますよ」
お客さん「明日の通訳の仕事、何人か中国語しかできない人が入るらしいんだけど」 平澤 「問題ないですよ」
で、行ってみたら、広東語の世界が展開していた・・・
おそらく日本国内では中国語といえばほぼ確実に北京語のことで、広東語というのは特殊な世界のことだと思います。しかし、香港では少し事情が違います。
広東語では「広東語」を「広東語」と言わず、「中文」と表記し、「チョンマン」と発音します。北京語は「北京話」と表記し、「パッキンワー」と発音します。このことからも分かるように、広東語ワールドでは広東語こそが中国語を代表する言葉であり、北京語などは北京の田舎者が喋っている言葉であるとの、認識に立っています。勿論、事情が変わった今ではそんなことはないのですが、言葉の習慣というのはなかなか変化しないものです。
香港人とよく喋っていると、「Do you speak Chinese?」とよく聞いてきます。これは彼らにとってはあくまで広東語ができるか、との意味なのですが、そこで北京語のできる日本人が(日本人でなくても世界中の北京語ができる人はそう答えると思いますが)「Yes, I do. No problem.」と答えると、次の瞬間、「ハイラ、ガム、オーデイゴンチョンマン、ホームホー?」(そうですか、じゃあ中文で話しましょうよ)という広東語が飛んできて面食らうことになります。
そのような理由で、当社は香港で営業活動を展開する際の無用な誤解を避けるためにも、通訳対応言語=中国語といった曖昧な表記ではなく、北京語とはっきり明記するようにしています。
|